設立趣旨

 人々のライフスタイルが多様化するなかで、同時に日本は急速に高齢化しています。核家族化は進行し、情報技術が進化して、今後、日本においても人は個性化し、個人主義が重んじられる世の中になっていくと推測されます。

 しかし、人はいかに個人主義に走ろうとも、人と人のつながりを本能的に求めていきます。コミュニティに関する考え方も変わって行く中で、内に閉じた家族という単位をほどき、世代を越えて融合する試みが今後求められてくるでしょう。つまり徹底したコミュニティ内に支え合いが必要なのであり、コミュニティによるトータルケアが必要なのです。そして、社会システムを優しく包含するハードウェアとして「まちなか」は、今後必要不可欠な存在となってきます。

 この度TMO「まちづくり福井(株)」が設立されましたが、TMOはその構成上、また企業であるという性格上、公共事業等のハード面に関しては新たなる検討、提言をすることは非常に難しいと考えられます。

しかし、コミュニティの場でもある、にぎわいのあるまちなかの実現のためには、ハード部分、特に公共事業の整備が必要であるため、今後とも行政にはご支援をお願いして行かねばなりません。

 そのギャップを埋め、TMOとの連携を図りながら一般市民の意見と地元の意見を集約した形で提言していける組織として「特定非営利活動法人福井まちなかNPO」を組織致しました。福井市中心街のまちづくりに関心のある方なら誰でも自由に活性化の方策を議論し、また、その実行段階としてのイベント等も実際に企画、運営していくことができます。

 是非とも多くの市民、県民のまちづくりに対する熱い思いを、この「特定非営利活動法人福井まちなかNPO」にぶつけていただきたいと考え、ここにNPOとして設立致しました。

申請に至までの経過

 「特定非営利活動法人福井まちなかNPO」の前身ともいえる、「福井市中心街整備推進協議会」では4年間の活動の中で、常に中心市街地の活性化とは何かを考えて参りました。そして、街には「市民(県民)に愛されること、市民が使いやすいこと」を考えたハード及びソフト作りが必要であり、「市民に何度も来ていただける街」というコンセプトでのまちづくりが必要ではないかとの結論を導き出しました。

 「福井市中心街整備推進協議会」は駅前の17haにある事業者や地主を中心として協議を進めて来たものですが、前段の市民のためのまちづくりが、すまわち中心街の活性化につながるものであることを考え合わせた場合、この17haの枠にとらわれずに、市民全般の意見を聞いていく必要があるという考えに至りました。